2008.7.5 福井県立大で不開講手当支給

4月末、福井県立大学の非常勤講師Aさんが担当する2科目のうち1科目で履修者がいなかったため不開講になることが確定しました。委嘱状とともに送られていた「非常勤講師の勤務条件について」の「8 担当科目が不開講となった場合の報酬の取り扱いについて」では「総担当時間数(予定)の6割相当額を支払います」と明記されているので、開講した1コマ分と不開講の0.6コマ分をたした1.6コマ分を要求したところ、大学側は、Aさんの今年の持ちコマ数が2コマだから、2コマ×0.6=1.2コマ分だと説明してきました。あまりに不合理なこの計算式に驚いたAさんの要請にもとづいて組合で調査の結果、次のことが判明しました。

たしかに大学側が主張する計算式は、労働基準法第26条の休業手当には抵触していないのですが、大学が主張する計算式をそのまま実行すると、1コマあたりの不開講手当に大きなばらつきが生じるということです。大学は、持ちコマが何コマでも、持ちコマ×0.6という計算を主張しています。それだと3コマ持っている人は、3×0.6=1.8コマ分で、実労の2コマ分に達しないため、計算式そのものが成り立たないことになります。これは4コマ持っている場合も同じです。

組合は、この問題はSさんだけの問題ではなく、すべて非常勤講師の利益にかかわる問題として位置づけ、団体交渉を申し入れるとともに、「非常勤の声」特別号を発行して、福井県立大学の非常勤講師・専任教員に支援を訴えていました。

こうした動きが功を奏して、7月1日に大学から「組合の主張どおり不開講分の6割に相当する額を不開講手当として支払うことにした」との回答がありました。