8月2日(月)の午後,大阪電気通信大学との交渉がおこなわれました.大阪電気通信大学では来年度からカリキュラム改編によって一般教養科目のコマ数が1人当たり5コマから3コマに削減されそうな状況にあります.また,これが1コマずつ3日に配分されるという非常勤講師の勤務上,極めて不都合なカリキュラム案となっています.さらに第2語学(ドイツ語,フランス語)についても削減が予定されています.組合側は以下の要求をもって交渉しました.大学側からは元場学長,藤田法人事務局長,浪越大学事務局長など5名出席しましたが,カリキュラム問題については主として学長が対応しました.
(1) カリキュラム改編の説明
(2) 一般教養科目,第2語学の削減理由(1コマずつ3日にした理由)
(3) カリキュラムの改編作業はどこまで進んでいるか
(4) 一般教養科目の削減が不可能な場合の代替措置
(5) コマ数減によって私学共済の加入は継続できるのか
(6) 非常勤講師にパート労働法の適用を認めるか
(7) 大学は回答の中で専任教員の職務比率を,授業:研究:大学運営=3:4:3と回答しているが,授業の比率が低く教育軽視ではないか
(8) 私学事業団からの補助金単価が50%アップしたことを賃金に反映せよ
これに対する回答は以下のものでした.
交渉の最初になぜ団交として認めないかについて大学側から,「本学に組合員がいるかどうか不明だったため」と回答し,今後は「団交」として交渉すると回答しました.また,この話し合いの内容については確認書のようなものを交わし,この場が単なる懇談でないことを確認し,話し合いに入りました.
(1)(2)(3)(4)については,現在大枠が決まっているのは来年度,学部に昇格する医療福祉工学部だけで,他学部は再来年度からカリキュラムが変わるので,これからの検討課題であること.大枠として,総合科目(一般教養・語学),専門基礎科目(数学など),専門科目の変更はないこと.総合科目が全体として削減されることにはなっていない.5コマが3コマになるのは,これまでも検討してきた学生の学力問題や校舎問題の結果である.従来の一般教養科目は寝屋川,四条畷の2つの校舎をまとめて5コマでやっていたが,今後は両校舎別々に授業を実施するので寝屋川2コマ,四条畷1コマとした.これは寝屋川8学科,四条畷4学科という学科数に比例して配分した.3日1コマずつになったのは全体のカリキュラム編成の結果である.語学については医療福祉工学部ではフランス語がなくなり,ドイツ語も削減されるが,これは福祉関係の学部ではさまざまな資格を取得する必要があるため,それに対応する授業が必要であり,何かを削減する必要が生じたためである.他学部については決まっていない.代替措置としては学生の日本語力が弱いので「日本語上達法」などを開講し,コマ削減になる講師(全員ではないが)にも配分する.
(5)の私学共済問題については大阪電気通信大学では非常勤講師の私学共済加入資格は従来,「週3日5コマ以上」が基準であったが,今回のコマ減は大学側の都合によるものなので「週3日」か「5コマ以上」のどちらかが満たされていれば継続加入にすると回答しました.
(6)は法律なので尊重する.(7)については大学運営はカリキュラムなど教育関係にかかわるので,それを合わせるとかなりの時間教育にかかわっていると回答しました.(8)については明確な回答はありませんでした.
<筆者の感想>
ほとんどがカリキュラム問題に終始したので(6)以下の項目について追及が不十分でした.週40時間労働,授業準備時間2倍と考えると5コマで計算しても
1.5時間(90分授業)×2(準備時間)×5コマ÷40(時間)=37.5
となり,ほぼ4割となる.大学側の専任の責任コマ数は6(これは語学教員?)と答えたので,この数はもっと大きくなる.
(文責・江尻)