2005年4月30日発行
関西圏大学非常勤講師組合
〒542-0012 大阪市中央区谷町7丁目 1-39-102 大私教気付
委員長:新屋敷 健
郵便振替 00950-2-203528
URL: http://www.hijokin.org
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2004年度の活動を振り返ってみると,個別の事例以外で,龍谷大学と京都産業大学で賃上げ,関西大学で健康診断実施(無料)などの成果がありました.国からの非常勤給に対する補助金単価が,文部科学省との粘り強い交渉の結果,1.5倍化されましたが,それを個々の大学での非常勤講師給与に反映させる活動ではほとんど動きがなく,(京都産業大学のみ)今年度も引き続き追及すべき課題として残っています.
労働相談活動では,大学をとりまく状況の急激変化を受けて,賃下げ問題から減ゴマ・雇い止め問題まで多数の労働相談がありました.文書による照会から団体交渉,労働委員会のあっせんまで様々な交渉を行い,神戸松蔭短大,京都産業大,阪南大,近畿大,京都女子大,松山大,大阪外大,英知大,愛媛大などで解決しました.また,昨年は国立大学が行政法人化にともなって賃下げを行なってきたのを受けて,神戸大で賃下げの撤回,大阪外大での賃下げ幅縮小を勝ち取りました.
2005年度は,春から夏にかけて定期団交をおこなう予定です.均等待遇の実現をめざして,雇用の安定化や労働条件の改善などの項目を吟味し,一歩ずつ成果をあげていきたいと考えています.秋には国立大学での大量雇い止め・減ゴマをはじめ,非常勤講師をとりまく状況の悪化が予想されるため労働相談活動を強化する予定です.
(文責・内藤)
この団交と平行して,2004年11月に来年度2コマの打診をされたにもかかわらず,12月になってから1コマ減を一方的に通告された非常勤講師の減ゴマ撤回をも求めて大学側と交渉し,第3回団交で,減ゴマ撤回を勝ち取りました.
(文責・新屋敷)
神戸松蔭女子短大(契約破棄による1年分の給与支払い),京都産業大(コマ数の上限設定を適用しない),阪南大(曜日変更撤回),京都女子大(減ゴマ撤回),神戸大(賃下げ撤回),英知大(雇い止め撤回),大阪外大(賃下げ幅縮小,減ゴマ撤回),近畿大(減ゴマ撤回),愛媛大(減ゴマ撤回),松山大(賃下げ撤回).
(文責・内藤)
関西の大学は,組合からの賃上げ要求に,軒並みゼロ回答.ピンハネを悪いとも何とも思っていない大学ばかりであった.
その中で,唯一,京都産業大学だけが,2005年度からの賃上げを回答した.月400円/コマ,という僅かな額ではあるが 「補助金の標準経費が上下がそのまま賃金の上下に結びつくものではないが,改定の精神や,組合の努力を理解しての賃上げである」 というコメントとともに高く評価したい.
他大学も補助金のピンハネをやめ,今すぐ非常勤給の賃上げを!
また京産大とは,2005年2月に「非常勤講師から,一方的な雇止め及び正当な理由のないコマ数減に対して,疑いの申し出があった場合は,大学は誠意を持って対応する」という協約も結んだ.不当な雇止め,減ゴマの通知があった場合は,すぐに組合に相談されたい.
(文責・遠藤)
(文責・内藤)
いずれも,減ゴマの通知が遅かったり,ろくな説明がなかったり,不誠実な説明だったりという事例である.
減ゴマの際に,「何年も前からこの授業がなくなることは決まっていた」「本来なら減ゴマの理由は説明する必要はないが,親切心でプライベートで伝えているだけだ」「和を乱すな」「不満ならやめてもらって結構」というような説明をされて,納得する講師がいるだろうか?
当初,大学は,組合からの問い合わせに対して期限までに返事をしなかったり,交渉の席で 「非常勤講師の仕事だけで暮らせるものではないのだから,生活費は他で確保しろ」 と発言するなど,他大学ではありえないような,非常に不誠実な対応を続けていた.
そのため,組合は,京都府労働委員会にあっせんを申請し,2005年2月18日に行われたあっせんで下記の3点について合意した.
1. 団体交渉の開催要求を受けた当事者は,応諾にいて期限までに文書で回答する.
2. 団体交渉の開催要求を受けてなされた話合いは,団体交渉として位置付ける.
3. 団体交渉で合意したことは,文書化する.
また,その後の団体交渉で,以下の3点について合意し,合意書を交わした.
1. 大学は,将来閉講の予定がある科目については,委嘱時に,そのことを伝える努力をする.
2. 大学は,委嘱する科目のカリキュラム上の位置付けについて,委嘱時に丁寧に説明する.
3. 大学は,委嘱している科目を翌年度,同一の非常勤講師に委嘱しない場合は,その理由を丁寧に説明する.
残念ながら,昨年度の交渉は,いずれも減ゴマ撤回には結びつかなかったが,今後の交渉につなげたい.
(文責・遠藤)
昨年12月,非常勤講師から「賃下げすると通告されたが,どうすればよいか」という相談が寄せられたので,まずは有志10名で撤回をお願いしてみるという方策を採用し,3月に「給与引下げ撤回のお願い」文書を理事長宛てに提出しました.
これに対して理事長から回答がこないため(実は,あったことが後日判明),当組合が交渉を引き継ぎ,撤回要求書を提出しました.関西では非常勤が大学教育に果たしている役割の重要性に反してその給与が低いことはどの大学の理事も認めていることであり,給与引き上げが団交の争点であって,給与引下げなど話にならないこと,回答に承服できない場合は団交を要求すると書いたところ,理事長から引下げ予定を撤回するとの回答を得ました.
(担当 長澤)
また,フランス語の非常勤講師には,2005年度の減ゴマも通知されていた.クラス規模を拡大し,教育・環境を犠牲にしてのリストラである.神戸大当局は第1〜5回の団交では「制度設計」だから変えられないの一点張りであったが,第6回の団交(2月)で減ゴマの減収を補償する業務を委嘱したいという提案があり,この問題はその方向で妥結する見込みである (条件を交渉中).また,他に,非常勤講師にも有給休暇があることも確認した.
2005年度に入って,神戸大は,すでに2006年度の非常勤講師リストラ計画の話題で持ちきりである.独法化した国立大学は「経費節減」にやっきになっていて,労働・教育環境を破壊することなど何とも思っていない.今,ここで当事者である非常勤講師が,反対の声を上げず,黙ってそれを認めてしまっていいのだろうか?
これまでの組合の圧倒的勝利を,今年の勝利につなげるために,すべての非常勤講師の連帯と協力をお願いしたい.
(文責・遠藤)
この専任の先生たちは,肝腎なことを忘れている.わたしは三十路未婚一人暮らしの風が吹けば飛ぶように細々と生活と研究を続けている,学生好きの非常勤講師であることをだ.2コマ減ると,月5万円の収入減である.わたしの家賃を払っても有り余る金額が減るということを,この先生たちは分かっていない.ちなみに鶴橋の焼肉が10回食べられるではないか.嗚呼,彼らは弱者への想像力が全くないのだなあとしみじみ思わされた.
結局,非常勤組合の人たちに間に入ってもらい,また,他の非常勤講師から減ゴマの状況を聞き,わたしだけがたまたま大幅な減ゴマの憂き目に遭っていたことが分かった.説明会や団体交渉の結果,解決したけれども専任の先生方への不信感は払拭されない.
生活は最終的にはひとりで守らなければいけないわけで今回は非常勤組合という有力なソースに助けられた.そして,わたしは大学側の「いい子」であるよりは闘い続けることを決めたのである.
★新年度の給与額は契約通りですか?
☆ベテランの非常勤の方々はご注意!
あなたの大学の講師給には等級がありませんでしたか?
★5年勤務以上は千円アップ,10年以上は更に千円アップなど.
事務のうっかりミスなどで改定されていなかったというケースもありました.一度,ご確認されることをおすすめします.
また,交通費は契約通りですか?実費より少ないことはありませんか?この際,実費支給を大学事務に要求しましょう.
★納得がいかない交通費支給については,組合にご相談下さい.
(文責・宮城)
また,具体的なトラブルがある場合は,加入前でも,お気軽にご相談ください.相談受付:info@hijokin.org
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組合費: 5000円/年 (年収150万円未満の方は2000円/年)
賛助会費: 1口1000円/年 (3口以上の協力をお願いします)