関西圏大学非常勤講師組合
委員長:新屋敷 健
全国一般労働組合東京南部大学教員支部(UTU)
委員長:John Casey
こちらからは、第156回参議院・文教科学委員会(2003.6.5)での河村副大臣の答弁「…非常勤講師についてはいわゆるパート労働法といいますか、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律、この適用になっていくわけでございますから、…通常の労働者との均衡等を考慮して適正な労働条件を確保する」や、第156回参議院・内閣委員会(2003.6.12)での「…これは、国立大学法人に今度なりますと、運営交付金が算定して渡されるわけでございます。この枠の中でやるわけでございますが、法人化になった途端にどんと下がるというようなことはあり得ないことであります。そんなことがあってはならぬわけでございまして…」を読み上げ、副大臣が述べた方針に変更はないのかを問いました。
大臣官房人事課審査班の担当者は、河村副大臣(当時)の方針に変更はなく、また非常勤講師給賃下げは文科省の意向ではないし、そもそも来年度の運営費交付金は、前年度の専任教員給と非常勤講師給を「上回る」人件費を積算として提示している、との回答でした。
また賃下げの根拠として、「今まで120分計算だった講師給を実労時間の90分に変更する」という考え方は、「今までの勤務実態を見直すことなく、単に法人化したというだけで90分に変更することはない」との見解を示しました。
以上の交渉の経過と、その成果である通知の送付にもかかわらず、現在一部の国立大学法人において、一方的な非常勤講師給の引き下げが行われています。よって、今後の非常勤講師に対する処遇として、以下の点につき大学当局からのご回答をいただきたく、要請いたします。なお6月中にご回答をいただけない場合は、その旨を公表し、文部科学省へ通知して再度交渉の俎上に載せる予定でおります。
法人化後に行われた、非常勤講師給の一方的な引き下げの撤回、及び改善を図ること。
第1に、運営費交付金における非常勤講師給の減額査定という情報は、文部科学省の担当課によって明確に否定されており、根拠がない。第2に、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律には正社員とパートの均衡処遇がうたわれており、すでに昨秋の対文部科学省交渉の中で、私学助成課課長は格差の存在を認め、対策として助成金の補助単価を引き上げ、「均等待遇の具体化として、国立の処遇を参考に算定した」と回答している。第3に、当組合の要請後、15文科人第326号『法人化後における 非常勤講師の給与について(通知)』が各大学に送付されている。
これらの理由から、法人化後に非常勤講師給の引き下げを行う正当性は存在しておらず、極めて違法性の強い不当な事態であると認識せざるを得ない。
(2)労災保険・産休について
非常勤講師にも労災保険が適用され、産前・産後の休業が保障されていることを周知徹底させること。